【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「悟りには原因が無いのですか?」という質問にスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
「悟り」には原因が無いと聞いたのですが、それは本当ですか?
[A]
■一切の原因が無くなった境地が悟り
答えにくい質問ですね。悟りに原因が無かったら現れるはずもないし、原因によって現れたものであれば、その原因が無くなれば結果も消えてしまいます。しかし、そうすると悟りではなくなってしまいます。ですから、質問は論理学的に考えるとややこしくなるのです。答えを出します。
一切の原因が無くなったところ(境地)が悟りなのです。そうすると、現れることも無くなることもありません。それだけです。理解できるかどうかわかりませんが、頭に入れておいてください。すべての原因が無くなれば、それは悟りの境地です。原因があると何か結果が現れます。その現れた結果は一時的です。ですから、悟りについて語りません。悟りに達するのです。語りえないのです。それ以上は説明できません。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:瞑想実践編3」