アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「実況中継の言葉が出て来ない」という相談にスマナサーラ長老が答えます。

[Q]

   
日常の瞑想実践について、日常の動きに対して慣れていないせいか、実況中継の言葉が上手く出て来なかったりするのですが、これは実践を重ねて慣れるしかないのでしょうか?

 
[A]


■実況中継は動詞で

    いいえ、言葉が出てこないということはあり得ません。日常生活では、動詞で実況中継するのです。動詞だと「上げる・下げる・押す・引く・回す・取る・放す」という程度でしょう。人間は他に何もやっていないのです。
    例えば、部屋の掃除をする時でも、押す・引く・取る・放すというぐらいの動詞ですよ。ですから、動作を動詞で実況中継するのです。俗世間にある余計な概念は必要ありません。「掃除機を取ります」という実況はいりません。「取ります、取ります」だけで充分です。身体の動作のみを実況しましょう。その時は「取る」「置く」「放す」「回す」「押す」「引く」程度の言葉になります。ですから、実況中継の言葉が出て来ないという問題は起きないはずです。



■出典       『それならブッダにきいてみよう:瞑想実践編1」 

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