【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「ブッダもグルなのですか?」という質問にスマナサーラ長老が答えます。
[Q]
よくインドの宗教では指導者のことを「グル」といいますが、ブッダもグルなのですか?
[A]
グルというのは、「先生」という程度の意味です。
インドでは弟子を指導するなら誰でも自分のことをグルというのです。先生という意味なので、音楽を教える人も、踊りを教える人も、ヨーガを教える人もグルなのです。「Guru」とはサンスクリット語で「敬意に値する」という意味の形容詞です。名詞として使う場合は「先生」という意味です。しかしこの使い方はそれほど古くはありません。
お釈迦様も人類の師匠なのでグルといってもかまわないのです。しかし世の中で、料理を教える人もグルなので、同じ単語をお釈迦様に使うのはふさわしくありません。
ブッダの時代、精神の世界を教える人々を、尊敬の意をもって「bhagavān」(バガワーン)という敬語で呼びました。ですのでお釈迦様には「グル」ではなく、「バガワーン」という敬語を使います。今もインド人はお釈迦様にはバガワーンという敬語を使います。グルという言葉は使わないのです。バガワーンとは宗教家に使う敬語です。
■出典 『ブッダの質問箱』