【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「人を育てるときのコツ」です。
[Q]
新しく役職に就いたのですが、新入社員を自分の今のポジションまで育ててほしいという指示を受けました。どのように後継者を育てればいいのでしょうか?
[A]
■部下は褒めて育てる
褒めてあげればいいのです。「君たちには将来があるんだから、早く私を超える能力を育てなさい。君なら大丈夫だと思いますよ」と。褒めてもらうのは誰だって好きです、無明(真理の光に照らされていないこと。無知)だからね。
ただ、人権侵害だけはしないようにものすごく気を付けてください。育てる・教える過程で、叱ったりすることはあります。怒鳴らなくちゃいけない時もあります。しかし、これだけはしてはいけません。
誰であろうが、脳は褒めてもらうと頑張ろうと思ってしまうのです。能力はどこまで成長するかわからないのですから「私と同じくらいになるか、私を乗り越えるぐらい頑張ってみてください」「できると思えばできます。私にもできたんだから」と、そういうふうに慈しみを基本にして頑張ってみてください。
誰だって仕事を良くやって欲しいでしょう。誰だって自分の家族を幸せにしたい。誰だって叱られたくはない。バカと言われたくはない。ですから、私も部下もみんなも平等で、生命であるという慈しみに基づけばできると思います。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:人間関係編』