【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「〝境地〟をひけらかす指導者って……」です。
[Q]
テーラワーダ仏教では、僧侶や瞑想指導者が特定の弟子や人物について「あなたは◯◯の境地に達した」「この人は◯◯の境地に悟った」というふうに言及することはありえるのでしょうか? そのような話をする指導者は、間接的に自分の境地をひけらかしているようでインチキ臭く感じてしまうのですが、それは偏見でしょうか?
[A]
■詐欺師には自己PRが必要
そうかもしれません。責任感を持っている、お釈迦様の教えを重んじる指導者は行わない行為です。はっきり言うとこれは自己PRです。詐欺師には自己PRする必要があります。本物の指導者は、弟子のことを吹聴しません。しかし、瞑想実践する弟子がどこまで成長しているのかと、指導者は把握しています。指導者も弟子のことを吹聴しないし、弟子も「私はここまで達した」と自慢しないのです。
■出典