アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「実況中継して気づくよりも早く感情が起こってしまうのですが」という悩みに、スマナサーラ長老が答えます。


[Q]

    何年も長老の話を聞いていて、「一切は変化生滅しつづける現象で、執着するものは何も無い」と頭ではわかっているつもりですが、他人に何か言われると少し怒りが湧いたりして、実況中継して気づくよりも早く感情が起こってしまいます。後になって「こういう感情が起きた。執着することでは無い」と確認をするのですが、こんなことで心が清らかになっていくのかどうか不安です。
 
[A]

 ■気づきの時間を縮めるという宿題

    これは、あなたが「気づく」ために少し時間がかかるというだけの話です。何か現象が起こるとすぐに反応して、怒って感情的になってしまうのです。その結果として、苦しみを感じているのです。その瞬間には「一切は無常であって、いつでも物事は流れるのだ」と感じていないのです。その時は、現象の世界にのめり込んでしまって、気づきが一切無かったということです。それから二日ぐらい経って、自分の感情に気づいてみると、「あぁ、なるほどそういうことか」という具合になるのです。
    宿題があります。二日経ってから自分の感情に気づくことを、できれば一日半で気づくようにしましょう。そこから、さらに縮めて一日以内で気づけるようにする。そういった感じで、どんどん時間を縮めていく。順番に縮めていけば、最終的には「今、気づく」ということになるのです。それで話は終わりです。気づくまでの時間が縮まるように、実況中継の訓練を続けてください。


■出典    『それならブッダにきいてみよう:瞑想実践編2』

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