【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「気持ちを明るくするには?」です。
[Q]
健康、経済問題、仕事などで悩むようになり、考え方が暗い方向に行ってしまいがちです。気にしないで明るく生きようと思うのですがうまくいきません。考え方が明るい方向に向いていくアドバイスをお願いします。
[A]
■考えるべき五つのこと
人間は主観で考え、妄想ばかりするようにプログラムされています。そして人間だけが生まれた時から刷り込まれているこのプログラムを変えることができるのです。俗世間では、ネガティブ思考に対してポジティブ思考をしなさいと言われていますが、仏教的にこの考えには賛成できません。悪いものは悪いし、良いものは良いと正しく観察しなくてはいけません。ですから、必要なのは客観的な思考です。人は客観的に、具体的に、理性に基づいて物事に対して考えなくてはならないのです。だからといって、何でもかんでも考えるのではありません。そんな暇は人にないはずです。
では何を考えるべきなのでしょうか?
①自分に対して有効で、欠かせないこと。
②周りに、親しい人々に、関係のある人々に有効で欠かせないこと。
③一般的に「慈しみ」に関わる思考。
④自分にできることは何かと考えること(これは一番大事)。
⑤今おかれている状況が悪いと思うならば、様々な条件を改良したり変えたりしなくてはいけません。それは何なのかと考えること。
以上です。
■出典 『それならブッダにきいてみよう:こころ編1』