アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「人生において深刻に受け止めなくてはいけない問題など無いのか」という相談にスマナサーラ長老が答えます。

[Q]

    人生において深刻に受け止める問題は無いと考えるのは良いのかどうか知りたいです。最近、実践を続けていると、今まで大きく捉えていた問題--例えば自分の欠点とか、上手く行かないとか、上手く行くとか、そういうことがだんだん小さく思えてきました。そうすると疑問が生まれて、それなら「大きく捉えるべきことは無い」と考えていいのかな、ということをお訊きしたいです。


[A]

■取り組むべき難しい課題はあります

    全て無常ですからね。大きくも小さくも、そんなに意味は無いですね、結局は。
    一番 難しいのは、自我の錯覚を破ることなのです。それは大きい・小さいではなくて、かなり難しい宿題にはなります。
    世の中のことっていうのは、どうってこともないんです。長生きしたい--これこそ別に何も気にしません。早く死んでしまっても別に誰も気にしないね。そういうのは大げさなことではないです。
    欠点にしたって、みんな持っているんだから、考えてみればどうってことは無いでしょう。だから全てが小さく見えるのは構いませんよ。見えたからといって、自分という気持ちは結構、難しい宿題にはなりますね。
    〝自分〟という自我意識は、どのように生まれるものか、どのように消えるものかという、このプロセスをチェックして行かなくてはいけません。 



■出典    『それならブッダにきいてみよう: こころ編4』
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