アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「中道の特色はなんですか?」という質問にスマナサーラ長老が答えます。

[Q]

    中道の特色はなんですか?

[A]

     お釈迦様の「中道(majjhimā paṭipadā)」は、超越道・中正道という意味になります。極行の真ん中を取っているのではありません。世にある修行方法の真ん中を取っていないことこそが、中道の特色です。さまざまな修行方法に見える欠点がまったくない正道なのです。その道を発見できたことに、お釈迦様自身も驚きを感じたようです。
    「私は極行を止めて、そのどちらにも入らない道を発見しました。『中道(中正道)』を発見しました。これは目を開かせる道です。智慧が現れる道です。心の安穏が得られる道です。悟りに達する道です。涅槃に達する道です」と説かれています。
    「中正道」とは、贅沢三昧で五欲に溺れて生活して死ぬ道でもなく、せっかく人間に生まれたのに意図的に身体をいじめて苦しみばかりを感じる苦行の道でもないのです。お釈迦様の「中正道」はとてもシンプルな修行方法です。「聖なる八つの実践方法」と言います。つまり「八正道」のことです。



■出典    『ブッダの質問箱』