アルボムッレ・スマナサーラ

【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】 

    皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日は「不安や孤独の付き合い方」について、スマナサーラ長老が解説します。

[Q]

   心の不安や孤独感とうまく付き合う方法を教えて下さい。

[A]

■二つのステップで解決する

    それには、ステップ①とステップ②があります。
    ステップ①は、いつでも何かをする、いつでも忙しくすることです。毎日を忙しくして不安を感じる隙がない状態にするのです。「今は忙しいから、悩むなら明日から」というくらいに忙しく活発に生きてみることです。しかし、これでは問題解決したことにはなりませんね。そこで、仏教ではステップ②を教えているのです。「心をそのまま置いておいてはいけません。心にこれまでなかった能力を入れてください」と。具体的には、怒らないようにすること、混乱しないようにすること、生命にもともと無かった慈しみの気持ちを育ててみること、などです。そうやって忙しくするだけではなく、心を成長させる訓練をすれば、心の不安や苦しみが消えて行くのです。仏教が言っているのは、不安や孤独感との「付き合い方」では無く、不安などを無くすこと、解決することです。身体の苦痛はどうにもなりませんが、心の苦しみは完璧に解決できます。慈悲の冥想をすること、ヴィパッサナー実践をすること、感情がむき出しにならないように制御する訓練をすること、などなど方法はたくさんあります。毎日の日課として、仕事して遊んで寝るだけではなくて、もう一つの課題として、心を成長させることに取り組んでください。それで心の不安が消えます。


■出典    『それならブッダにきいてみよう:こころ編1』  

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アルボムッレ・スマナサーラ[著]