私の場合は、師匠の死をきっかけに住職になったわけですから、師匠には会いたくても会えませんでした。そういう事情もあり、「お前はこれから誰を師匠ににするのか」と聞かれたときには、「これからの私の師匠は弟子だ」と言っていました。弟子もけっこう自分の尺度をぶっ壊してくれる存在なのです。


ネルケ無方(曹洞宗僧侶)
(サンガジャパンVol.33.「さようなら、安泰寺[前編]」)
※肩書は掲載時