俗世間の権威が「悪」を行っていたり、「善」を行ってくれないことがある。もっと言ってしまえば、俗世間の善悪は、常に相対的であり、絶対的な善悪ではない。悪人でないのに、善悪のクレバスに落ちてしまう人たちは少なくないのだ。


高野秀行(ノンフィクション作家)
(サンガジャパンVol.18 「聖と俗の厳しくもゆるやかな一線」)
※肩書は掲載時