【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「自分に適した経典を探す方法」です。
[Q]
長老のご法話に、「あなたに適した経典の中に必ずあるのです。それを発見してみましょう」と書かれていたのですが、どうすれば自分に適した経典を発見できるでしょうか?
[A]
■読み方、勉強の仕方を変えないといけない
経典を勉強したり、読んだりすると発見できます。全く理解できない、実行できそうもないと感じる経典ならば合っていないかもしれません。言っていることは何となくわかるのだが……と思ってしまうものは、結局は自分が納得していないという意味になります。納得できないものが合うはずはありません。
皆がやるからやる・暇つぶしにやる・仲間から離れられないからやる・言われるからやる、などの目的で勉強したとしても、自分に適した経典は見つかりません。知識を肥やすために勉強する人も何も発見できません。
自分を発見するために・自分の生きるべき道を発見するために・自分の悩みを解消するために・真理を知るために・心を清らかにするために・解脱にチャレンジするために……というような目的で勉強するなら、適した経典が瞬時に見つかるのです。
■適する/適しないとは何?
ブッダの教えによって人が幸福になること・心が向上すること・解脱へ進むことは確実です。失敗者はいません。これが決まりです。自分は仏教を勉強してみたが、役に立たなかった・問題を解決できなかったというならば、適した教えに出会っていないのです。
適するとは、自分の問題にずばりと解決方法を持っている教示なのです。「なんだ、私のことを言っているみたいだ」と感じられる教示なのです。それは四行の詩ひとつ分の教示かもしれませんし、経典一編丸ごとかもしれません。あるいは、あの経典から一部分、この経典から一部分、あのジャータカ物語から一部分というように、幾つかの教示を合わせたものかもしれません。
■出典