「日日是好日」という言葉をテーマにした「バッデーカラッタ・ガーター(Bhaddekaratta gāthā)」について詳しく解説した経典が、中部経典に4編収録されています。「日日是好日」偈の真髄を理解できるよう、スマナサーラ長老にこれらの解説を多面的に読み解いていただきます。
第2回 「日日是好日」偈お釈迦様の解説 ①過去に執着するなかれ−1
■過去も未来も追わない生き方とは?
まずは、お釈迦様の解説(中部131『バッデーカラッタ経』)から勉強しましょう。「日日是好日」偈の前半二偈は、以下のとおりです。
Atītaṃ nānvāgameyya, nappaṭikaṅkhe anāgataṃ,
Yadatītaṃ pahīnaṃ taṃ, appattañca anāgataṃ.
過去を追いゆくことなく また未来を願いゆくことなし
過去はすでに過ぎ去りしもの 未来は未だ来ぬものゆえに
Paccuppannañca yo dhammaṃ, tattha tattha vipassati,
Asaṃhīraṃ asaṃkuppaṃ, taṃ vidvā manubrūhaye.
現に存在している現象を その場その場で観察し
揺らぐことなく動じることなく 智者はそを修するがよい

![アルボムッレ・スマナサーラ「様々な「日日是好日」」[2]](https://image.osiro.it/pass/main_images/183509/images/original/%E9%95%B7%E8%80%81%E3%80%8C%E6%A7%98%E3%80%85%E3%81%AA%E6%97%A5%E6%97%A5%E6%98%AF%E5%A5%BD%E6%97%A5%E3%80%8D2.jpg?1660019246)
