【スマナサーラ長老に聞いてみよう!】
皆さんからのさまざまな質問に、初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老がブッダの智慧で答えていくコーナーです。日々の生活にブッダの智慧を取り入れていきましょう。今日のテーマは「善行為のやり方」です。
[Q]
自分が良かれと思うことも、あくまでも主観であって、他人から見たら嫌われてしまうことがあるかもしれないと不安になりました。余計なお世話と思われることが怖く、あまり人と関わりを持たないようにしなくてはいけないのかと迷ってしまいます。アドバイスがあればお願いします。
[A]
■喜びだけを求めない
問題は、「人に喜ばれるようにする」ということにあります。そこは忘れてください。自分が人間としての義務を果たしている、恩返しをしている、そう思ってください。人が喜ぶかどうかはわかりません。例えば公園に落ちているゴミを拾う。それで誰が喜びますかね? 別に他人が必ずしも喜ばなくてもいいのです。しかし、それでも公園のゴミを拾う行為自体は立派な善行為です。
誰もがよく失敗します。私も時々ひどい目に遭います。私は全く使うことがない品物をお布施でいただくことがあります。使わないからといって、今時は処分するのも大変なので困ります。そんな時は「この人は一生懸命、喜んでもらえるものを考えてお布施したのだろう」と理解することにします。
■善行為の研究が智慧に繋がる
ですから、その辺は各自で研究してみてください。どんなことをすれば人の役に立てるのだろうとか。自分の主観の判断ではなく、家族として、人として、生命として考えてみるのです。それで最終的には智慧が現れて欲しいのです。ただの行為だけに凝り固まることではいけません。データを取りながら調べてみる。そのように善行為はやってみてください。
■出典 『それならブッダにきいてみよう: 人間関係編2』
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