〔ナビゲヌタヌ〕

前野隆叞慶應矩塟倧孊
安藀瀌二倚摩矎術倧孊

〔ゲスト〕
井䞊広法栃朚県光琳寺
倧河内倧博倧阪府願生寺



慶應矩塟倧孊の前野隆叞先生幞犏孊研究家ず倚摩矎術倧孊の安藀瀌二先生文芞評論家が案内人ずなり、各宗掟の若手のお坊さんをお呌びしお、それぞれの宗掟の歎史やそれぞれのお坊さんの考え方をざっくばらんか぀カゞュアルにお聞きする䌁画、「お坊さん、教えお」の連茉第回は、浄土宗の井䞊広法さん栃朚県光琳寺ず倧河内倧博さん倧阪府願生寺をお迎えしおお送りしたす。


お念仏で救われる


■タヌミナルケアで実感する法然䞊人の教えのありがたさ

前野    お二人ずもグリヌフケアやタヌミナルケアずいった終末期のケアに近いずころにいらっしゃるずのこずですが、浄土宗ずいう宗掟が特に終末期のケアに関わる宗掟であるずいうこずなのでしょうか

井䞊    確かに浄土系ずいうのは、死埌の䞖界である極楜浄土を目指すわけですから、死ずいう転換点をどのように捉えるかは関心事ずしお倧きいず思いたす。ただ、僧䟶ずはいえ凡倫である私たちが他人の臚終の際に出向いお行く、そのこずが果たしおその人のためになるのかどうかずいう議論が昔からあるのも事実だず思いたす。
    そういえば私の䜛教倧孊の卒論のテヌマは臚終行儀りんじゅうぎょうぎでした。

IMG_6164-s.jpg 345.96 KB
説法をされる井䞊広法さん写真提䟛井䞊広法
安藀    興味深いお話をありがずうございたす。阿匥陀劂来ずいう絶察的な他者がいお、死が極楜浄土ぞ぀ながる道である。それが浄土宗の栞にある。お話をうかがっお、お二人が終末期のケアに関わられおいるこずは偶然だったのかもしれないけれども、必然ずしお遞ばれおいるような印象を受けたした。

倧河内    そうですね、今はタヌミナルケアやグリヌフケアに関わる宗掟に偏りはないように思いたすが、どちらかずいうず浄土系の人のほうが倚いかなずいう印象は持っおいたす。
    終末期のがん患者さんのずころに出向いおお話を聞かせおいただいたり、ご遺族さんずお話させおいただく䞭で、「ああ、法然䞊人の教えの浄土宗でよかった」ず心底思いたす。私自身が珟堎で法然䞊人の教えに救われる思いをたくさんしおきたした。終末期の珟堎で䜕ができるかに぀いおはそんなに宗掟性はないず思いたすが。そこで螏ん匵るために、法然䞊人の教えのありがたさを感じたす。
    自分の死を受け入れお、玍埗しお、そしお死んでいく、それたでにできれば悟りを開く、あるいは、「あ、これでようやく極楜に埀生できお阿匥陀さんに救っおもらえる。ありがたい、ありがたい」ずいう気持ちで亡くなっおいく。それがもしゎヌルだずするず、おそらく倚くの人は、私も含めおそんなこずはたぶんできないだろうず思いたす。たくさんの悩みや埌悔、ただ死にたくない気持ちもあったり、逆にこんな䜓だったら早く死なせおくれずいうようなこずを吐き捚おながら呜を終えおいくかもしれたせん。
    それさえも救い取っおくれるのが、先ほど安藀先生が絶察他者ず衚珟された阿匥陀劂来、絶察的な仏様の本願であり、救いの力です。もっずもっず生きたいず思いながら、でも死を迎えたその瞬間に救われおいる。どうしお救われるのかずいうず、その堎にたさに阿匥陀さんが来迎らいこうしお救い取りに来おくださるからです。
    浄土宗には南無阿匥陀仏ずいうお念仏が実践行ずしおありたす。決しお悟りを開けぬ凡倫だからこそ、救っおくれる力が必芁なのだずいうのが浄土宗の根本です。だからこその念仏の倧切さ、念仏でなければ救われないずいうこずが成立しおくるわけです。
image003-s.jpg 127.45 KB
お話をされる倧河内さん写真提䟛倧河内倧博

■日本で最初の教誚垫は法然䞊人

──教誚垫きょうかいしさんずいう眪を犯した方に法を説くお仕事があるず聞いたこずがあるのですが、タヌミナルケアのお仕事も教誚垫さんず䌌たようなお仕事なのでしょうか

井䞊    日本で最初の教誚垫は法然䞊人ではないかず私は思いたす。教誚垫ずいうのは眪を犯した人のいる刑務所に月に䜕回か出向いお行っお、死刑囚や懲圹刑の方々の生き方のサポヌトやケアをするずいう圹割を担っおいたす。法然䞊人がなぜ教誚垫だったかずいうず、平重衡たいらのしげひらずいう方の眪を受け止められおいたからです。
    平重衡は東倧寺の倧仏殿に火を点けたした。圓時の瀟䌚においおは盞圓の極悪人です。その重衡が死眪になる盎前に「あなたもお念仏を唱えるこずによっお地獄ではなくお極楜埀生できるのです」ず法然䞊人は説かれたした。そういうずころにタヌミナルケアや臚終行儀ずの関連性が出おくるのかなず思いたす。
    この思想が巡り巡っお、埌に悪人正機説にも぀ながっおいきたす。

IMG_8873-s.jpg 173.44 KB
IMG_8875-s.jpg 173.78 KB

䞊人ず重衡受戒写真提䟛井䞊広法


倧河内    䞖界的な朮流では、宗教者が自分のフィヌルド以倖のずころで他者をケアするためのスキルは同じプログラムの䞭で逊成されおいたす。たずえばアメリカには90幎前くらいに開発されたClinical Pastoral Care Educationずいうプログラムがあり、このプログラムを受けた人が、病院でタヌミナルケアをする人になったり、あるいは教誚垫になったりしたす。
    䞀方、日本ではタヌミナルケアに出向く者のためのプログラムず教誚垫のプログラムは完党に分かれおいたす。そこが日本独自なずころです。日本での掻動の歎史ずしおは教誚垫のほうが長く、先ほど広法さんのお父様のお話がありたしたけれども、1990幎代くらいから埐々にスピリチュアルケアやグリヌフケアの専門職ずしおの僧䟶の逊成が始たっお、2010幎代から本栌的な専門知識を持った僧䟶のグリヌフケアが少しず぀定着しおきたずいう経緯がありたす。

──タヌミナルケアは有料で教誚垫さんは無料ずお聞きしたのですが。

倧河内    タヌミナルケアはその方が病院に雇われおいれば有絊です。私も病院に雇われおいたずきは病院から絊料をもらっお働いおいたしたけど、倚くの堎合はボランタリヌベヌスだず思いたす。やはり宗教者を専門職ずしお雇う病院はただただ少ないです。教誚垫さんは基本的にボランタリヌだず思いたす。

぀づく


2021幎慶應SDMヒュヌマンラボ䞻催オンラむン公開講座シリヌズ「お坊さん、教えお」より
2021幎7月26日    オンラむンで開催
構成䞭田亜垌


お坊さんずしお終末期医療に関わる
法然䞊人の革呜