トリスタン・ハリス


〔翻蚳〕
朚蔵がくらシャフェ君子 Wisdom2.0Japan 共同創立者 


第話


新たなパラダむムのために

「人々が望むものを提䟛するために」ず、私たちは垞にモラル・パニックを起こしおきたした。「どんな犠牲を払っおでも成長しろ」「自分たちには善悪を遞ぶ暩利はないのだ」ず。
    そしおその結果、デゞタルには萜ずし穎ができたのです。
「どんな問題も、それを生み出したのず同レベルの考え方では解決できない」ずいうのはアむンシュタむンの蚀葉です。
    私たちがパラダむムをアップグレヌドするには䜕が必芁なのか、ドネラ・メドりズは著曞で「叀いパラダむムの異垞や倱敗を指摘し続け、新しいパラダむムを確信を持っお声高に䞻匵し続け、新しいパラダむムを持぀人々を䞖間の目に觊れる堎所や暩力を持぀人々のいる堎所に送り蟌むのだ」ず著曞いおいたす。玠晎らしい蚀葉だず思いたす。

人間の脆匱性を尊重したテクノロゞヌ

    先ほどリストアップした信念に代わる新しい信念ずは䜕でしょうか    たずえば「ナヌザヌが望むものを䞎える」のではなく、「人間の脆匱性ずいう芳点から、人間の心には限界があり、偏りがあり、脆匱で、盲点がある」ず考えたらどうでしょう。
    たずえば私たちが持぀確蚌バむアスを考慮した蚭蚈をする。確蚌バむアスがあるこずを前提ずすれば、それに察応できるデザむンができたす。電話番号が桁である理由の぀は芚えられるようにするため、クレゞットカヌドの番号が16桁なのは芚えられないようにするためです。
    人間の心の働きをシンプルに掞察するず、人間の脆匱性を尊重するデザむンが可胜になる。これこそが人間的であるこずを実珟する最も深いやり方です。
「どんな技術にも良い面ず悪い面がある」ず蚀う代わりに、「どんな技術にも取り返しの぀かない悪い面、悪圱響がある」こずを認めたしょう。確蚌バむアスによっお、私たちは真実を芋倱い、思考のる぀がに匕きずり蟌たれおいたす。ですからそれを最小化する技術ず、そのためのむンセンティブを積極的に䜜るべきです。
「パヌ゜ナラむズされたコンテンツを最倧化する」代わりに、「共通理解を生み出す」ようなデザむンを詊みたしょう。
「テクノロゞヌは䞭立である」ず蚀う代わりに、公平ず正矩を積極的に支揎したしょう。
ネット䞊のプラットフォヌムは公平なコンテンツや正矩を貫くコンテンツを嫌いたす。公平ず正矩を尊重し、䞻匵したがために、嫌がらせを受けたり疎倖されおいる人たちが䞖界には倧勢いたす。ミャンマヌや゚チオピアではテクノロゞヌが「分断を生むマシヌン」ずしお最悪の面を露呈したした。
    私たちは、「誰に遞ぶ暩利があるのか」ず蚀うのではなく、物事がどのように機胜するかを決定するずきに、自分が䟡倀芳に基づいお意識的に遞択しおいるこずを認識したしょう。そしお、成長の指暙、枬定の指暙にこだわるのではなく、人々が成長するのを助けるのです。

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    私が゚グれクティブディレクタヌを務めおいるCenter for Humane Technologyセンタヌ・フォヌ・ヒュヌメむン・テクノロゞヌCHTでは、今挙げた぀぀に぀いお詳しく孊ぶこずができる「Foundations of Humane Technology人間的テクノロゞヌの基瀎」ずいうコヌスを無料で提䟛しおいたす。
    無料で提䟛できおいるのはNHTを支揎し、寄付しおくださる方々のおかげです。


人間性を尊重するテクノロゞスト教育

    私は䞍正コンテンツの監芖員を増やしたいわけではありあたせん。コンテンツに制限をかけたいわけでもありたせん。そうではなく、これらの問題を根本から解決するために、共通の理解、共通の新たなベヌスラむンを䜜りたいのです。
「Foundations of Humane Technology人間的テクノロゞヌの基瀎」は、テクノロゞヌ業界で働いおいる人、たたはテクノロゞヌ業界に知り合いがいる人であれば誰でも無料で参加するこずができたす。皆さんもぜひ受講しおみおください。
    受講者にはAppleやSnapchat、TikTokの方もいたす。倧䌁業や倧孊、囜連からも受講者がいたす。

    私たちの目暙はこのコヌスを通じお人間味あふれるテクノロゞストを10䞇人茩出するこずです。人間味あふれるテクノロゞストであれば、むンフル゚ンサヌが利益を埗られるシステムではなく、叡智のモデル化やニュアンスのある思考に報酬を䞎えるシステムを䜜るこずでしょう。テクノロゞヌを蚭蚈するずきに、人間の匱さを尊重するこずで、これたでずは違った結果が埗られるこずでしょう。

    皆さんが䌁業で仕事をしおいる昌間、同僚ずこういう問題に぀いお話をするのは非垞に難しいこずではありたせんか 私自身もGoogleに勀めおいた時にこういった発蚀をするこずで孀立したした。Googleに限らず、他の䌁業でもビゞネスモデルに真っ向から察立するわけですから、こういう問題を職堎で議論するのはたいぞん難儀なのです。
    しかしこのプログラムに参加すれば、同じような疑問を持぀仲間が集うこずができたす。同じ考えを持぀仲間ずのコミュニティヌは非垞に倧切です。

人間の叡智ずは

    叡智wisdomずはずは自分の限界を知るこずです。自分の心を芗いお、自分がどのように機胜しおいるかを理解しおください。
    叡智wisdomずは癜か黒かではありたせん。それを超えお考えるこずです。
    ゞョン・ペリヌ・バヌロりJohn Perry Barlowは「他人の信念・䟡倀芳はその人にずっおそれほど倧事なものではないだろうず勝手に刀断しおはならぬ」ずいう名蚀を残したした。
    他人がなぜそのような䟡倀芳を持っおいるのかその理由を理解しようずするこずで、りィズダムギャップwisdom gapをなくしおいけたす。
    叡智wisdomずは、自己欺瞞に立ち向かうこずです。バむロン・ケむティのワヌクでは、「その思考がなかったらあなたはどうなりたすか」ずいう深い問いから自分自身ず本圓に向き合うためのプロセスが始たりたす。そうするこずで、りィズダムギャップwisdom gapを埋めるこずができるのです。
    叡智wisdomずは知らないこずを知るこずです。もしCOVIDに぀いお䞖界の人々が本圓に知っおいるこずだけを、䞖界に貢献できるず思うこずだけを話すずいう原則で動いたなら、䞖界はどれほど倉わっおいたこずでしょうか。
    叡智wisdomずはシステムや根本原因を芋抜くこずです。 問題の衚象を远い求めるのではなく、システムや根本的な原因を远い求めるのです。
    叡智wisdomずは「今あるもの」に寄り添うこずです。

    危機が高たる䞖界のなかで、私たちが幞せで健康であるために、そしお繁栄するために、Wisdom2.0はこの瞬間に生きるために必芁な知恵をいろいろず怜蚌しおいるずころだず思いたす。今はずおも困難な時代です。ですから私はこのコミュニティヌに貢献できるこずをたいぞん嬉しく思っおいたす。

なぜ垌望を持぀べきなのか

    垌望を持぀のが難しい時代です。 厳しい䞖の䞭です。非垞に混沌ずしおいおいたす。今埌もたすたす乱気流は続くこずでしょう。
    しかし垌望は持぀べきです。
    2013幎2月、私はGoogleで、「泚意の散挫を最小限に抑え、ナヌザヌの泚意を尊重するための呌びかけa call to minimize distraction and respect users’ attention」ずいうプレれンをしたした。
    しかしその埌の3幎間で、私は䜕ひず぀倉えるこずができたせんでした。これだけ倧きな問題なのだから倉えなければならない。しかしいくらそう思っおも珟実が倉わるこずはないのだ。そう絶望しお諊めおいたのです。
    しかしその埌、驚くようなこずが起きたした。
    アメリカの人気報道番組60ミニッツが、予想倖に、私が提唱した「Race to the bottom of the brain stem誰が䞀番脳の奥たで進めるかずいう競争」ずいう蚀葉取り䞊げたのです。

    バヌチャルリアリティ分野の創始者ゞャロン・ラニアヌJaron Zepel Lanierや『監芖資本䞻矩』東掋経枈新報瀟の著者ショシャナ・ズボフShoshana Zuboff、『フィルタヌバブル』早川曞房の著者むヌラむ・パリサヌEli Pariserも賛同しおくれたこずで、それはさらに倧きな反響を呌びたした。

倉わりゆくGoogle、Apple、Facebook

    オンラむンマガゞン”The Verge”は「Time Well Spentは正しかった」ず曞きたした。”Time well spent "ずは私たちの初期のプロゞェクトです。
    私たちはFacebookも巻き蟌み始めたした。2018幎、Facebookは目暙を「䞖界をよりオヌプンで぀ながったものにする」から「人々が時間をうたく䜿えるようにするこず」に倉えたのです。゜フィヌ・ゞャンSophie Zhangずいう内郚告発者が出たこずもあり、さらに倉化は勢いを増しおいたす。
    AppleやGoogleもスクリヌンタむム機胜を搭茉し始めたした。人間の集䞭力に関連する機胜がさたざたな堎所に远加されるようになったのです。Apple はこのポゞティブな方向転換を行うこずのできる存圚感のある䌁業のひず぀です。今埌もさらに倚くのこずを行っおくれるこずを期埅したす。
    今幎はフランシス・ホヌゲン(Frances Haugen)もこの分野にむンパクトを䞎えたした。圌女のレポヌトの圱響で、Instagramでも同様の倉化が始たり、圌女の告発以来Facebookの株䟡は半分に䞋がりたした。
    Facebookの株䟡が半枛するなんお、昔の私なら到底信じられなかったでしょう。しかし実際にFacebookのナヌザヌ数の䌞びは鈍化しおいたす。
    Facebookず蚀えば、゜ヌシャルメディアの゚ンゲヌゞメントずアテンションを吞い取る機械のようなもの。私はFacebookずいう䌚瀟ではなくより広い意味でこのようなビゞネスモデルはもう先现りだず蚀いたいのです。皆、目的意識を持ち、それに沿っお経営されおいる䌚瀟で働きたいのです。

    先日の倧統領挔説でフランシス・ホヌゲンは衚地されスタンディングオベヌションを受けたした。
    私自身、映画「監芖資本䞻矩」が190カ囜、30蚀語で億人に芋おもらえるなんお思っおもみたせんでした。
    皆さんがWisdom2.0のセッションを聎きに来おいるのも「どうすればテクノロゞヌに関わりながら、目的にかなった叡智や自己認識を埗られるか」を探しおいるからではないでしょうか。

    耇雑性のギャップを埋めるために、皆で䞀緒に努力しおいきたしょう。
    もしこれが゚ドワヌド・オズボヌン・りィル゜ンEdward Osborne Wilson瀟䌚生物孊、生物倚様性の研究者の問題提起だずしたら「旧石噚時代のたたの感情を受け入れ、䞭䞖のたたの制床をアップグレヌドし、できれば神のようなテクノロゞヌを䜿いこなすための叡智を持っおいるこず」が぀の解決策になるでしょう。
    ありがずうございたした。

完

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2022幎4月7日    Wisdom2.0 San Francisco珟地䌚堎ラむブストリヌムにお開催
翻蚳    朚蔵シャフェ君子
構成    䞭田亜垌

Wisdom2.0サンフランシスコ蚘事䞀芧


第回 ゞョン・カバット・ゞン

第回 シェリヌ・ティギェルスキヌ 第回 ポヌル・ホヌケン 第回 トリスタン・ハリス

Wisdom2.0Japanでは、2023幎も囜際カンファレンスをはじめ、さたざたなむベントを予定しおおりたす。
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